PHP研究所出版 「THE21」 ビジネス雑誌 【全12回連載企画】 2019年4月号よりスタート
長期保有が前提の不動産投資は値崩れ材料がない物件探しが必至
人生100 年時代において、若いときに働いて貯金を貯め、老後はそれを取り崩して使うというマネープランでは、不安が大きすぎる。投資すべきは、老後も不労所得を稼ぎ出してくれる不動産。将来的に値崩れの心配がない物件とは?
2019年11月号
単身者向けマンション投資は、絶対的に京都が強い。
単身者向けマンションへの投資は、京都以外でも人気です。
しかし私は絶対的に京都が強いとみています。それは、京都が千年の都の街並みを保っていこうと、官民一体で努力しているからです。古都の風情を守るには、今以上に住宅を建てることは出来ない。つまり供給過多になりようがないのです。
昨今、首都圏では大規模な再開発が各地で行われており、タワーマンションが駅周辺に林立し、一気に住人が増える現象が起きています。京都の建物も多くが老朽化していますが、大規模な再開発は行われないのでしょうか。
京都で大規模開発が出来ない要因とは。
そもそも京都の中心地では「ウナギの寝床」と称される、間口が狭く奥行きが長い形状の土地が多く、マンションを開発しようにも、数件まとまって入手できないと、広い土地にはなりません。
しかし京都の土地は古くから職住が共存し、細かく細分化され所有されてきた土地に住みながら、同時にそこでものづくりや商売をおこなってきたので、土地= 生業を手放す人が少ないのです。
また、三方を山々に囲まれた地形も、京都で大規模開発ができない大きな要因です。
東京や大阪、名古屋は、市街地を大規模に開発するために、海を埋め立てて土地を作ることが可能でした。しかし、京都は三方を山々に囲まれ、その自然が観光資源でもあるため、徹底して保存するというのが京都市の方針です。
戦後、ある程度、南方向に住宅地が広がりましたが、これ以上開発のために土地を広げる発想は京都にはありません。
平安京の街を守るために、厳しい高さ制限がある。
さらに市街には、太平洋戦争の戦災が少なかったおかげで、約千二百年前の平安京の街がそのまま残っています。
これを守るため、京都市は新たに建てる建物への規制を、さらに厳しくしています。平成19年に施行された新景観政策により、それまでも他の都市に比べるとかなり厳しかった高さ制限が、さらに厳しくなりました。
以前は一番高い建物が許可されている地域で45mまでだったのが、31mに変更されたため、マンションならおよそ11階建てが限度となりました。しかもこの31mが許可される地域はそれほど多くなく、ほとんどが21mや15mが上限の地域です。
五山の送り火が見えるように、視点上にある建物は高さ規制される。
そこにもう一つ、京都ならではの建物規制があります。
それは世界遺産周辺での、高さとデザイン規制です。五山の送り火が指定された場所から完全に見えるように、その視線上にある建物は、それを遮らないように高さを規制されるなど、京都以外ではありえない規制でしょう。
道路幅員が小さく、容積率が制限される。
この厳しい高さ規制に加え、容積率の低さもあります。
京都は平安京が今も街の原型となっているため、道路幅員が小さく、建築基準法で容積率が厳しく制限されます。
これでは高度利用ができず、分譲マンションでは採算があわないのではと、開発自体が躊躇されるほど。大規模な再開発など、とても出来る街ではありません。
めまぐるしく状況が変わる現代でありながら、京都という特殊な街では不動産の未来が見える。住宅が供給過多になり得ない街だからこそ、安心して長期保有をおすすめできるのです。
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