PHP研究所出版「THE21」ビジネス雑誌 【全12回連載企画】2019年4月号よりスタート
京都に空き物件が出るのを待つ人々が世界中にいる?!
京都、それは日本が世界に誇る歴史と伝統が息づく古都。
観光で訪れるイメージが強いが、その延長に、京都好きが高じて京都に住みたいと考える移住希望者も多い。
昨今はビジネス目的の外国人も加わり、今や京都は世界規模の「住みたい街」なのだ。
2019年4月号
京都は観光だけではなく暮らす街としても多彩。
京都は古都としての佇まいを残しながら、都市としての利便性も高い、ハイブリッド型の都市です。
子育て世代にとっては、緑が豊かなこと、レベルの高い学校が多いこと、就労世代にとっては観光業を始め雇用が多いことなど、観光だけでなく暮らす街としても非常に多彩な魅力を備えています。
そんな京都に住みたいと思う人は大勢いますが、京都は他の都市ではみられないほど、空き物件が極端に少なく、なかなか京都暮らしの夢を叶えるのは大変です。
というのも、先祖代々住んでいる京都ネイティブが多く、彼らは滅多なことでは土地を手放しません。
たまさか相続税などの関係で手放される土地が出たとしても、大型マンションが立つほどの敷地ということはまずありませんし、よしんばマンションが建つことになったとしても、京都には景観保全の条例が厳しく、大型の高層マンションは建てられません。つまり戸数が爆発的に増えることがないのです。
日本ホールディングス(株) 代表取締役
八尾 浩之(やお ひろゆき)
大手不動産会社に10年以上勤務し、多種多様な不動産関連商品の開発販売を手掛ける。
1992年に日本ホールディングス㈱の設立に参加。2011年に代表取締役に就任。
2018年から近畿中高層不動産協会の理事を拝命。顧客最重要の姿勢を貫き、京都の不動産投資会社をけん引している。
京都の賃貸マンションは、争奪戦がすごい。
市内の賃貸マンションは単身者向けの方がファミリー向けよりも多いのですが、数が少ない上に希望者が多いので何しろ争奪戦がすごい。競争を激化させているのは大学生です。
京都は京大をトップに名門大学の集まるところで、少子化のこのご時世にも学生数の減少がほとんど見られません。
つまり単身者用マンションはつねに求められており、私も長年京都で不動産業に携わってきましたが、繁忙期に空き物件を探すのは本当に大変なのです。
こうした中、近年は外国人観光客の増加も京都の物件不足に拍車をかけています。
観光業が盛り上がれば、当然それに対応すべく人手が必要になり、人が流入してきます。彼らが職場である京都市内に居を求めますので、これでまた単身者用マンションの需要が増えているのです
外国人居住希望者も増えている。
さらには京都に魅せられ『京都で事業を始めたい、京都で暮らしたい』という、京都ファンの外国人居住希望者も増えています。
京都の伝統工芸に魅せられた海外のクリエイターが、京都にオフィス物件を探すといったケースは確実に増えていますし、ビジネスの街として東京や大阪とはまた違った魅力があるので、今後いっそう海外から京都にオフィスをというニーズが増えていくと予想されます。
敏腕投資家も目をつける、京都不動産投資。
京都の不動産が常に品薄という状況をざっくりご説明してきましたが、こうした点に目をつけているのが敏腕な投資家たちです。
不動産投資において最も怖い『入居者がいない』という状況が起こりにくい、夢のような投資先として、京都は垂涎の的。数少ない物件を求めて、私のところにも国内外の方から「いい物件があれば是非!」とご依頼があります。
京都のたくさんある魅力の一つに、「投資先としても世界有数」という項目も書き加えられてしかるべき時代だと実感しています。
- 京都に空き物件が出るのを待つ人々が世界中にいる?!
- 京都の空き物件不足の原因は、全国でも類を見ない地方出身大学生数
- 京都の不動産の強みはブランド力。その保有物件はステイタスになる
- 京都の不動産は出たときが買いどき30~35年ローンで返済する
- 退職金を持ち家の確保に使い、京都の不動産で老後資金を作る
- 定年が見えていても挑戦できる頭金なし、ローンで不動産投資
- 実際の物件から見えてくる京都の不動産が魅力的な理由
- 長期保有が前提の不動産投資は値崩れ材料がない物件探しが必至
- 観光都市としてのさらなる飛躍が京都のブランド力を裏打ちする
- 不動産投資の付加価値としてオーナーズルームを活用する
- 維持費を圧縮し品質向上に充てるワンストップサービスに注目せよ
- 日本文化に投資するという発想の不動産投資がこれからのトレンドに